「アニー基金」プロジェクト通信 ( 平成29年10月 )



 9月には、強力な台風が日本を横断しました。雨の激しさ、風の大きさが一丸となってぶつかってくる様子は、熱帯低気圧となっても、まだ勢力を残していました。
この力の強さは、養護施設の子らや里子たちの反抗によく似ています。生まれながらに、もたらされた不幸の種に力の限りぶつかっていく。これでもか、これでもか・・・。最後には、自分に原因があると思い込み、自分自身に刃をむけていくようになります。これは、16歳から25歳くらいまで続いていきます。そこからは無力な人生観を抱いて生きていくようになります。まさに、生き抜くのに精一杯なのです。
希望や夢、幸せな将来設計・・・ それらを持つまでには、長い年月が必要です。
施設にいる間や里子という環境にいる時は、「受診券」という健康保険証が国から支給されていますが、医療費については、全て無料となっています。
アニー基金としましては、この受診券については、心理カウンセラーや精神科に関してのみ、措置解除をされても、返却せずに使用できるようにと願っています。反抗期が始まり、心の成長が大人としても大丈夫となる迄の長い期間を、大切に診てくれる医療が必要だからです。
台風の消滅と言われますが、この子らの心の消滅はありません。児童相談所としての機能以外の事ですから、これらの問題を含めて、「親子相談所」を柱として、新しい組織づくりをしてほしいと思います。
どうぞご理解の上で、法務省などへの署名をなさり、アニー基金事務局への承願書をお送り下さいませ。

1. 定例報告 

 (日付)           (行事報告)
3月1日  雇用主会セミナー参加 (少年院出身者の就労について)
3月2日  里親支援会議 参加
3月10日 定例会
3月13日 千葉県中央児童相談所 高年齢児支援セミナー参加
3月30日 木嶋君の就職会社 訪問
4月26日 寄付者 立花舞踊家 来訪
4月27日 プロジェクト会員 大澤弁護士とイジメラレっ子応援団として組織参加
5月26日 総会 (樋口美知子氏 理事就任)
6月1日  敬愛大学 養保護児としての里子・里親授業 講師依頼
6月3日  里親拡大研修会 参加
6月14日 イジメラレっ子応援団 結成会議 主催
6月23日 養保護児童自立資金委員会
6月29日 敬愛大学 学生里子支援授業 講義
7月1日  関東ブロック大会 さいたま大会 参加
7月2日  千葉明徳短大 新規里親研修 講師
7月14日 定例会
8月19日 NPOベビーブリッジ発足 シンポジウム
8月30日 千葉県庁 要望書 提出
9月8日  NPOベビーブリッジ事務局 訪問 (契約変更のお願い)
9月14日 定例会、新松戸7丁目の家 訪問

2. 総会の報告

 今年は、養護施設の子どもらや、里子のために、「親子相談所」の公設をお願いする事、又、受診券(生活保護法により病院代が無料になる)の応用が出来るように、働きかける事を目標にします。
実親の生活実態を知り、親子関係が正しく運営されていくよう、家庭裁判所の機能をもった相談所を児童相談所と併行していく方法です。詳しくは、ホームページを見てください。
又、1名の理事が、結婚と出産で辞任されましたので、元養護施設で働いていた会員の樋口美知子さんが新しく理事となりましたので、今後とも、宜しくお願い申し上げます。

* 樋口さんの新任あいさつ *
 この2~3年で、福祉法が大きく変わりました。私たちが施設にいた頃は、虐待児については少なかったのに、今は8割の子が虐待児です。この現況を何とかしたいと考えていた時に、「アニー基金」プロジェクトを知り、今後は理事として、アニー基金を支えることになりました。我が子の成長と共に、施設を出た子らの自立支援を一生懸命にしたいと思いました。どうぞ、ご支援を下さいますようお願い致します。
(長生村在住)

3. 桃加さんの授業料不足にて、再貸付を決定。

 現在、福祉専門学校の2年生で保育士を目指しています。27年度の11月に入学金を立替金として、50万円を借り、翌年4月の学生機構からの返済を行いました。通常の学生に比べて、必死にアルバイトをしておりますが、2年間で270万円の学費は、本当に大変です。アニー基金としましては、不足分の20万円を貸付けて、応援をしていきます。

4. 「新松戸7丁目の家」訪問 ( 記 ; 原田 万里子 )

 9月14日の午後、アニー基金の役員5名で、元アニー基金の会員、赤塚さんが運営されている「新松戸7丁目の家」を訪問しました。空調が効き、快適な室温、静かな部屋の中、生後4ヶ月から11カ月の赤ちゃん達が、各々のベットでお昼寝タイムでした。若い数名のスタッフの方達と、午前~午後~夜と、365日、24時間のお世話をしているとの事で乳児院などに入所するのではなく、家庭的雰囲気の中で育てて、里親さんの所へ送ることを希望していらっしゃる事。
お話しを伺っているうちに、1人1人、ベビー達が順番にお目覚めの泣き声をあげることもなく、抱かれてミルクを飲み私たちの事を人見知りする事もなく、安定した環境の中で過ごしている様子が、よく解りました。
ベビールームの他、母親と一緒に宿泊できる部屋もありました。子ども達は幼く、自分たちの事情も解らず、又、ここで暮らしたことも記憶に残らないでしょうが、ここの環境は、この子達の将来に、プラスになると確信しました。



LinkIconプロジェクト通信(H29.10月)